《潤side》
夜風が冷てぇ……
俺は、今、仕事でとある倉庫に来ている。
目の前の扉の向こうからは、賑やかな声が聴こえる。
今回の依頼は、この倉庫を拠点にしている組織にダメージを与えることだ。
さすがに一組織を1人で潰すのは無理がある。
だから、大きなダメージを与えるだけでいいのだが……
「何であなたが付いて来ているんですか……龍騎さん。」
俺は後ろを振り向いて、その男に声をかけた。
本人は隠れていた所から出てくる。
その気配は姿を見してからも、薄い。
さすが、というべきか。
CDの幹部内トップにいるだけの実力は、こんなにも他と違うのか。

