「Mr.翔平、Stand up.」

……………

「Mr.翔平?」


…………あれ?

「起きなさい!川西!」


窓際の一番後ろのあの席は、寝るのに最適だ。
翔平は、気持ち良さそうに寝ていた。

お願い、先生。
翔平を起こさないで。


だって、ずっと見ときたいもん。
翔平の可愛い寝顔。

「川西翔平!!」

私の思いなんて、知ったこったない。
先生は、翔平の名前を叫んだ。

「あ、………」

眠たそうに顔を上げ、辺りを見渡す。


「おはよう、川西君。後で職員室に来るように」


バカだな、翔平は。

確かに、この先生の授業は眠いけど…
大学進学率100%だからな…この学校は。