Dear.愛する人。


「翔平!!」

「暇だろ?どうせ」

私だってね……予定くらいあるわよ!


「ホットケーキの旨い店あんだろ。奢ってやるよ」

「え、ホント!!」

そこの店は、よく取材が来る店で、有名なデートスポットだ。



…………デートスポット。


普通に考えちゃったけど……恥ずかしい…


「顔赤いぞ」

「うそ!」

恐る恐る頬に触れてみると、熱くなっていた。

「腹減った。早く行こ」


放課後、翔平と二人きりなんて…久しぶりだな。
ホントに、彼女になったみたい……

「やべ、めっちゃ並んでる…」

「当たり前でしょ!人気店なんだから…」


おっちょこちょいな翔平を見れるのだって、私だけだ。きっと。

「お次のお客様、二名様ですか?」

「あ、はい」

「奥のお席へどうぞ~」

20分くらい待って、やっと入れた。

「私、チョコバナナ乗ってるやつねー。人気No.1!」

「お前、詳しいな…俺、何食おっかな…」

「イチゴミルク!」

「は?可愛すぎだろ…」

「照れてるんですか?翔平くん?」

「俺は、無難にコーヒーゼリーにする…」



やっぱ可愛い。



「翔平……お金大丈夫?」

「俺から誘ったから、俺が出さなきゃ。」

「気付かってくれなくても……んで、話って?」

翔平は水を飲み干し、改めて私に向き合った。


まさか……なんて考えたら心臓がドキドキ言い出した。