残り物には福がある？

　長閑な昼下がり。
　私は近所に住むナオ君と一緒に公園で遊んでいた。
「るりちゃん、今度はぶらんこ、しよ？」
　大人しくて、顔に似合わない眼鏡をしてたのを、思い出した。首が傾くと眼鏡もちょっと傾くから、それが面白くって、つい、遊んじゃったりもしたっけ。
「うん！　じゃあナオくん、後ろ、押してね」
「うん、いいよー！」
　ブランコで遊んだり、一緒になって滑り台を滑ったり。砂場でお山を作ったりして、すっごく楽しかった。
　でも、夕方の帰る時間を知らせる音楽が遠くから聞こえてきた。
　びっくりして、ナオ君が、転んじゃって。
「ふ、ふええ」
　しかも膝を真っ赤になるくらい擦りむいちゃって。