ああ、すっかり話が飛んじゃった。
 とにかくだ、私も彼も一人だってことが重要。
 なら、問題ないじゃないか。
「じゃあ、付き合いましょうか」
「え? い、いいんですか?」
 きょとんとびっくりしてる。
 ……正直、そこまで驚かれると、私もびっくりなんですが。
「だって、私も彼氏いないし、直哉君も一人なんでしょ?」
「え、あ……そ、そうなんですが……でも……」
「最初はちょっとアレだけど」
 あのワイルドな直哉君がとっても格好よかったというか、なんというか。
 それに、かなり甲斐甲斐しく世話してくれるのも、ちょっと、嬉しい……というか。
 と、そんなことを考えてると。
「あ、ありがとう、ございます」
 にこっと微笑んで言ってくれた。