残り物には福がある？

「も、もしかして、ベッド、汚れてました？　マットは代えられなかったので、綺麗に拭いて、濡れたところが当たらないよう、敷物敷いて、その上に……シーツをかけたんですが……」
　え、えっと……直哉君、そこまでやったの？
「は、はい……そ、その、凄い有様でしたし、気持ち悪いだろうし……」
「いや、普通、そこまでしないと思う……ラブホで、終わった後できちっとベッドメイクしてくれるっていうのならまだ分かるけど……」
　きっと、直哉君のようにやる人、絶対にいないんじゃないかな？　うん。
「そ、そう……ですか？」
「うん」
　あ、それと気になることがもう一つ。
「ねえ、私の服は……」
「あ、洗っておきました！！」
　ずずいっと差し出されたのは、綺麗に洗ってご丁寧にアイロンかけて、畳まれた服。
　の上にあの恥ずかしい黒の下着も！！
「……あ、洗ってって……」
「あ、その、汚れたままではいけないと思いまして！」
　ちょっと直哉君の目がキラキラしてきたのは気のせいだよね？
　くいっと眼鏡を直して、直哉君は続ける。
「服はタグを見て、洗濯できるものだったので、手洗いモードでかつ、ネットにいれて洗わせていただきました。ただ、時間に間に合わないと思ったので、アイロンで乾かしかつ、綺麗に整えさせていただきました」
　えっと、そうじゃなくってさ……。下着も？
「はい、下着によっては、専用の洗剤がいるものもあるので、インターネットで形とサイズで検索かけて、調べさせていただきました。それによると、一般の洗剤でも問題ないとわかりましたので、型崩れしないよう、手洗いした上で、こちらはドライヤーで仕上げさせていただきました」
　………………。