「んー……」
思わず目をこする。今、何時だったっけ?
「もう夜中の2時くらいかな」
直哉君が応えてくれる。ああ、その声も良い響き。
「ちょっと疲れてるみたいだね」
彼が言う。
「んー、でも、もう……ちょっと……はふぅ」
「もう帰ろうか、眠そうだし」
「でもでも、帰りたくない」
そうだ、私はそう言って駄々を捏ねたんだ!
だって、帰ったら一人だし、寂しいし。しかも彼氏に振られたばっかりなのよ。
一人で寝られないって、散々困らせてた。
「……じゃあ、俺の部屋来る?」
「うん。一緒に寝るー」
えへへと、ぎゅっと抱きついた…………うん。そのとき、すっごく嬉しかったの覚えてる。
なんかその、いやーな予感がしてきた。うん。
