「…伝えたかっただけだから」
顔を見せないように棗を背に歩き出す。
2度あることは3度あるのかなぁ~
もう…恋したくないな…
何とか元気を出さなきゃと
笑顔にしようとしても涙は止まらない
「おい、夏希」
顔は見えないけど低い声でわかった
今の棗は怒ってる…
なんで怒ってんのかわからないがあたしは足を止めなかった
「てめぇ意味わかんねぇ。俺とあいつが付き合ってる?ふざけんなよ」
棗が1歩ずつ近づいてくるのがわかる
そして後ろから棗に抱きしめられた
拒むことができなかった
離れたいのに…
「お前ばかすぎる」
耳元で小さく囁く声…
その声と同時に花火が始まる
