「棗…美優ちゃんと付き合ってんだろ??」



「は?何言ってんだよ」



「さっき抱き合ってたじゃん…」



その言葉に勢いをなくし黙る棗



やっぱり付き合ってたんだ…
心のどこかで言い訳してくれるって思ってたのに。



「お前何言ってんだよ…」



悲しかった…
棗の言葉が…やっぱりあたしの事もう好きじゃないんだって…。



我慢してきた涙が溢れ出る
それと同じく溜まっていた想いもはきだしそうになる



「もうわからないよ」



「なつ…き?」



何も言うつもりはないのに自然に言葉が出てくる



「なんで優しくするの?違うならやめてよ…思わせぶりなんて…」



こんな事言ってどうするの?
もう無駄なことぐらい分かってるのに…
これ以上傷つきたくないのに…



「棗も裕人と同じだよ…好きっていったくせに…待ってるって言ったくせに…本気で好きにさせといて!!」



視界がぼやけながら大きな声を出し棗の方を向く。
棗は目を丸くしてあたしを見る



もう抑えられない…



「好きにならなきゃよかった…棗が好きだよ」