迎えにきてくれたあんたは、
あたしに言った。

「えっ、かわい。」

顔を真っ赤にして。
あたしも、嬉しくて真っ赤になっちゃった。


それから二人で、街にでた。
街には、相変わらず人が一杯いた。

「迷子になるから。」
そういって、あんたは手を出してきた。
でも、あたしは、素直に
「うん。」
って言わなかった。
いや、
言えなかった。


もっと素直になりたいのに…。





その日の帰り道。


「公園よっていい?」
翔があたしを誘った。


二人とも喋らず
時間だけがすぎていた。

沈黙が続くなか
切り出したのは翔だった。



「なぁ、俺のこと好き?」



「えっ?」



「俺、前俺に告ってくれた時自信なくて、断っちゃったんだ。本当ごめんな?」


「うん。あたししつこいけど、
まだあんたのこと好きなんよ。」


「ほんまか?」


「ほんまよ。ぢやなきゃこんなこといわん。」


「んぢゃ、俺と付き合ってくれますか?」



「なんでいきなり敬語なん?」


二人で、笑いあった。

今日から翔の彼女になったんだ。
あたし、大好きな翔と一緒にいれるんだ。
会いたい時に会いたいって言えるんだ。


信じられない。




好きな人と付き合うって
こんなに、嬉しいんだ。



あたしは、夜もねむれなかった。





次の日学校にいき、
いつものめんつにいった。


みんな、喜んでくれた。


あたしは、気づいてなかったのかも知れない。

あたしには、こんな大事に思ってくれる人がいることを。
一緒に喜んでくれる人がいることを。
楽しいって思えることがあることを。
本当の幸せを。



翔のおかげで
あたしは、また強くなれたよ。
翔大好きだ。


あたしはやっと、差し込んだ光に夢中に
なりすぎていたのかも知れない。