気まずい雰囲気の中、育斗が口を開いた。



育「俺は女とラブホに入ってねぇ。」



「はぁ?
私見たんだからね!?
茶髪でパーマあててる女と育斗が入っていくところ!!」



育「確かに昨日ラブホに入った。」



「だったら…」



育「でも女と入ってねぇ。」




………は?





育「あのラブホで麻薬取引が行われてるって情報が入ったんだ。
しかもあのホテル自体も黒だっていう情報がな。
ラブホに男2人は入れねぇだろ?
だから昨日組員と行ったんだよ。」



組員…?
いや、あれはどう見ても女だったよ、うん。



育「若葉が見たのは女装した組員だ。」




育斗の言葉に一瞬フリーズした。
女装した男…?
え……?




育「信じらんねぇんなら家帰ってもう一回女装させるけど。
丁度今運転してるしな。」



「はぁっ!?」



ばっと運転席に目を向けると苦笑いしながら運転している。
え、嘘でしょ…?



「ほ…本当……?」



組員「あ…はい……。
女装は嫌でしたけど組長が若葉さん以外の女とホテルに入りたくない、とおっしゃったので……。」





………私、勘違いしてたってこと?





.