私は椅子から立ち上がり、育斗のまん前に立つ。
そして思い切り睨みつけた。



「夕方に堂々と女の人とホテルに入ってるところ、私見たんだけど?
仲良さそうにしてたわね。」



育「ホテル…?」



「へー、まだしらばっくれるつもり?
……正直そんな男だと思わなかった。」



育「…昨日の事か?」



「そうだけど?

まぁ私に見る目がなかったってことね。
私はあの元婚約者みたいに愛人つくることは許さないから。」



育「別にやましい事なんてしてねぇよ。」



「男と女がホテルに入って何も無いわけないでしょ?
はぁー…もういい。

早く帰ってくれない?
仕事の邪魔なのよ。」




そう言って先ほどのお客様の席へ行こうとした時、ぐいっと腕を引っ張られて体を持ち上げられた。




育「柚留、こいつ連れて帰るわ。」



柚「はいよーっ。
若葉、機嫌直せよー。」




必死で降りようと暴れるが育斗がしっかり持ってるせいで降りられない。
店の外へ出ると車が止まってあり、そこにのせられた。



私の隣りには育斗が座り、車が動き出す。




もちろん沈黙だ。






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