あの日から、私達は
特に何もなく、
少し話をしたりメールをするくらいだった。
「このベッド使って」
「はい、ありがとうございます」
季節の変わり目だからか、
少し風邪を引いたらしい。
ガラガラ…と
ドアが開いて
私のベッドのカーテンが開けられた。
「大丈夫か?」
夏生だった。
「うん、大丈夫。ありがとう」
「帰り送るから、待っとけよ」
「うん」
最近、夏生は家まで送ってくれるようになった。
ただ少し話をするくらいで
すぐに別れるけど
その時間が好きだった。
「はぁ……」
最近私は、おかしい。
夏生が他の子と喋ってるのを見ると
胸が苦しくなってしまう。
これはきっと、恋なんだろうな。
そう分かっていたけど、
彩矢にはまだ秘密にしていた。
このままの関係が一番いいと
そう思ったから。