彼は特別字が綺麗な訳じゃなくて、

アドレスを登録するのにも

一苦労だった。

そして、その紙は、

私の机の引き出しへと直された。

『七瀬です。今日は急にごめんね。あ、あの、デートの事なんだけど、嫌ならいいからね?』

また、謝ってるな、と思いつつ、

そのまま送信した。

♪♪♪♪

五分後、

夏生から返信が届いた。

『メールありがとう。七瀬は、俺とデートするの嫌?』

それは、意外な言葉だった。

『嫌じゃないよ?』

短い返信だったけど、

少しドキドキしていた。

♪♪♪♪

『じゃあ、日曜日に、噴水の前に十時で』

噴水、というのは

学校の前にある、恋人噴水と

呼ばれる場所だった。

来週の日曜日が

待ち遠しくては仕方なかった。