「ごめんなさい」
そう謝られた。
名前は知らない、この子。
ただ、凄く怒られたんだろうな
そんな気がした。
「あの、二人にして貰っていいですか?」
そう言って、担任と保健室の先生に
出て行ってもらった。
「私は七瀬。名前は?」
「愛菜」
愛菜…佐藤愛菜か。
何度か噂には聞いたことある名前。
「私、夏生が好きなの誰にも譲れない」
「私だって譲れない!」
「うん、分かってる」
あんな人他に居ないもんね。
好きになるに決まってるよ。
「だから、私とライバルになって」
取られるか取られないかの
戦い。
愛菜となら、いいライバルになれそう
「変なの。でも私が勝ってみせる」
「勝つのは私」
そんなに悪い子じゃないよ。
ただ愛が大きすぎるだけ。
「ねぇ、夏生を呼んで」
愛菜は、すんなりと私の
用件を飲み込んだ。