放課後、

口では言えない気持ちを

私は手紙に綴った。

『夏生へ

  夏生に、ごめんねを伝えるね。

  あの日、あんな言い方してごめん。

  悔しかった。

  悲しかった。

  友達として、私の恋を応援してくれる。

  そう言われたのが。

  だって私が好きなのは

  石井夏生

  アナタだから。

  分かってる。自分勝手だって。

  でも、伝えないと後悔しそうだから

  ここに気持ちを伝えるね。

                  七瀬  』

ピンクの封筒に入れて

ハートのシールでふたをする。

どうかアナタに伝わりますように。

まだ、下駄箱には、

夏生の靴があった。

靴の上にそっと手紙を置いて

私は家に帰った。

どうか読んで貰えますように。