私にはその三つしかなかった。


イジメも殴る、蹴る、悪口のどれかだった。


三つともの時もあった。



お母さんとは相変わらず仲直りしていない。



そして―


夜中の11時30分





『今すぐ公園に来て。』

メールでの呼び出し。

無視すると酷い目に合わされる。





渋々と支度を始める。




「こんな時間にどこ行くの?」


低いトーンで聞いてきた。



「ちょっと…ね。」



「待ちなさい。」



無視して家をでた。



公園につくと見下した目で安田は見つめてくる。


「今日はあんたが生意気だからおしおきしようと思って。」



「そんな理不尽な理由で…」



「あぁ!?」



まだ殴られる。


「ゲホッ」


もう私死ぬんじゃないか。



意識が朦朧としてきた。



「灯!!!!!!」



「お母さん…」



「あなた!家の子に何するの!」


お母さんは安田をアタシからはがした。



「やけに様子がおかしかったら…やっぱり…」



お母さんは安田を強い意思のある目でみた。

「場合によっては裁判ですからね。」



そう言ってわたしの肩を引き、唖然としてる安田を置いて帰り道を歩いた。



「灯…ごめんなさい。お母さん信じられなくて半信半疑で…あなたがイジメられてる事ちゃんと聞いてあげれなくて…ごめんなさい。」



お母さんは静かに泣いた。



答えは一つ。





「ううん…アタシもごめんなさい。
助けてくれた事嬉しかった。かっこよかったよ。」



「灯…!」



お母さんはアタシをギュッと抱きしめた。



二人で涙を流して…
仲直りした。







お母さん…







ありがとう…







私は今日を一生忘れない。