さよならまでの49日

夜、私はいつも以上にごしごし体を洗い

顔も歯もいつも以上にピカピカにした。

やっぱり、いつでも最高の私を

優斗に見てほしい。

明日の服は何を着ようか1時間くらい

悩み続けた。

私には、どんな服が似合うんだろう?

1人でのファッションショーが始まった。

鏡の前とタンスを何往復もした。

悩んだ結果、かわいらしいピンクの

ワンピースを着ることにした。

少し丈が短いかもしれないけど

お気に入りだし、自分にも

似合ってると思う。

夜はワクワクして眠れなかった。

なんだか初デートの時と同じくらい

緊張する。

優斗は、私のことを見てなんて言って

くれるかな~なんて想像してたら

眠れなかった。

優斗が好きだ。

優斗を愛している。

優斗が居れば他に何もいらない

そんなことを考えた。

そして、いつの間にか私は、

深い眠りについた。

ぴぴぴ~ 

目覚まし時計の音が響いている。

は!

起きなきゃ!

早めに起きて髪をブローして

顔をきれいに入念に洗った。

今日は、とってもきれいに髪が

セットできた。

今日は、薄めにお化粧をした。

いつもつけない香水もつけた。

優斗は、絶対かわいいねって

いいってくれるよね。

早く優斗の反応が見たいな

また、約束より早く行った。

あ!

今日は、あたしのほうが早かった。

やったぁ~

初めて優斗に勝てた。

少したつと優斗がきた。

いつもの笑顔で優斗が来てくれた。

優斗は来るなり私の変化がわかったようだ。

優斗は

「お!?」

「今日は気合、入ってるね」

「優香は化粧なんていらないだろ」

「あんまり似合ってないぞ」

とふざけ半分風に言った。

私は、すごいショックを受けた。

ひどいひどすぎる。

優斗のために一生懸命に

おしゃれしてきたのに似合ってないなんて

最低!

私の怒りがマックスになり

きずいた時にはもう怒鳴っていた。

「優斗なんて大嫌い」

「最低」

「なんでそんなひどいことを

 スラスラ言えるの?」

「私は、優斗がすごく私のことを分かって

 くれていると思ってたのに..」

って..

それでも、私の怒りは収まらなかった。

優斗なんて大嫌いだ。

もう顔なんて見たくない。

そのまま私は帰ろうとした。

優斗は

「おい!」

「どこ行くんだよ」

と言いながら私の手を掴んだ。

私は、その手を振り払った。

「触らないで」

そう怒鳴ってそのまま歩き続けた。

すると優斗が

「優香ほんとゴメン」

と謝ってきた。

私は少しびっくりして振り返った。

優斗は少し安心したように笑った。

なんだか優斗の笑顔を見てたら

怒ったことなんて忘れて

しまいそうだった。

優斗は

「頼む..」

「ここに帰ってきてくれ」

と言った。

私は、優斗のほうに走り出していた。

優斗..優斗..

私は優斗に抱きつこうとした。

すると、優斗は

支えを失ったように倒れこんだ。

優斗なんで?

なんでまた?

「優斗、起きてよ」

「冗談でしょ?」

と言った。

優斗は何の反応も見せなかった。

あの時と一緒だ。

また、優斗が..

でも、今度はどこも打ってないのに..

頭なんて打ってないのに..

そして、また聞きたくのない

サイレンの音が近づいてきた。

いやだ。

いや!!

また、優斗を連れて行くの?

優斗..

優斗..

3年たった今、やっと

あの日のことを思い出すことができる。

あの後、病院に搬送された優斗の心臓は、

救急車の中で2回も止まった。

それでも、また動き出した。

きっと死にたくないと思っていたんだろうな

それでも結局、優斗は死んでしまった。

どうして私は、あんなどうでもいいことで

おこちゃったんだろう?

優斗は冗談で言っただけなのに

私は、かぁ~となっておこっちゃった

いくら後悔しても、もう優斗はいない。

優斗、最後に笑っていなくてごめんね

怒った顔が最後だなんて..

ほんとにごめんね

もう離れ離れになっちゃったけど

これからもずっと1人で生きていくね

優斗のことは、絶対に忘れないからね

それまで、私のことを待っててね。

ずっと待っててね