はぁ・・・眠い・・・限りなく眠い・・・
だけど・・・この死闘には勝たなくてはいけない・・・
そう。睡魔と言う名の悪魔との戦いに!!
百目鬼紅莉(どうめきあかり)、15歳。只今睡魔と死闘中。
あと2分で決着が着く。あと2分で!!
今は6時間目の数学の時間。まったく、この先生寝かけただけでも教科書でバシバシ叩くからなぁ・・・もう少し女の子を丁寧に扱いなさいっ!
そうこう思っているあいだに、時計の針は3時10分を指した。
キーンコーンカーンコーン・・・
授業終了の合図が鳴る。いよっしゃ!!終わった!!!
学級委員が前に出て挨拶をする。すると教室はざわめき始めた。
「やぁっと終わったわね~。紅莉、帰りましょっ!」
授業が終了直後に話しかけてくれたのは心友の「鳳御凉(おおとりみすず)」。
「おーぅ!!帰ろう帰ろう!!」
あたしは帰りのしたくをし、御凉と一緒に教室を出た。
「それにしてもアンタ、その男勝りな喋り方やめたら~?」
御凉が会話の途中でその話を持ち出してきた。
「言われても・・・なぁ・・・」
そう、あたしの難癖は男勝りな喋り方。
昔から少年漫画とかしか読んでなかったから喋り方が男勝りになってしまったのだ。
「そんなんじゃあ、彼氏できないわよ~?」
「直したいのは山々だけどさぁ・・・」
もう、この喋り方は直しようがない。
すると、十字路の曲がり角から男女の会話が聞こえた。
「あ、あの・・・私と付き合ってください!」
うぉうっ!告白ですかっ!十字路の人が通りそうな所で告白とは・・・勇気がある人だ。うん。
「こんなところで告白って・・・」
どうやら御凉も同じことを考えていたらしい。
「悪いけど俺、今付き合うとかそういう気分じゃないから無理。」
キッツ!!フりかたキッツ!!なんだこの人!?
「あ、そ、そうだよね。ごめんなさい・・・」
「あのフラレ方はキツイわよね~・・・」
「うん。アレはひどいぞ。」
そんな会話をしているうちに女の子の方は「聞いてくれてありがとう。」と言って去っていった。
「で。お前らは何?」
なんと告白されていた男の子が振り向いた。
「あ、いや~。そこを通ろうとしたら・・・今の通りで・・・アハハ・・・」
もう苦笑しかでねぇよコンチキショーー!!
「あっそ。悪かったな。」
そう言って男の子の方も去っていった。
「・・・なーんか感じ悪いヤツだったわねー。」
御凉がつぶやく。
「確かにアレはねぇー・・・」
アレはセンチメンタルが弱いあたしだったら1週間は学校休むぜ。
「まぁ、とりあえず帰りましょ。こんなところで立ちほうけちゃあ時間の無駄だわ。」
「そだね~。」
まぁ、さっきのは見なかったことにしよう。うん。
「それじゃ。また明日。」
「うん。ばいばーい。」
さてと。明日も睡魔との死闘に勝たなければ。そう思いながらあたしは自分の家に入った。
