あの日君の見ていた空




翌朝、学校の準備が終わると
鞄を背負った。


朝食を食べずに、玄関へ向かうと、
高介の背後から声が聞こえた。


「高介ー?ご飯はー?」


高介の母親が声をかけた。

「いや、今日はいいや。
ちょい用事があるから。」


「委員会か何か?」


高介が靴を履き終わると

「うん。まあそんな感じかな。」


高介が言うと、母がニッコリと笑った。

「頑張ってきなさいよ。」

母が笑顔で送り出す。


「うん。じゃあ行ってくる。」

ドアを開け外へ出た。





学校の登校中に立ち止まり、
空を見上げた。


天気は昨日と変わらず晴れている。

高介は昨日と同じ考え事をすると、
はっとした顔で思い出す。

「やべっ止まってると遅刻する。」


少し走り、学校の方向へ急いだ。