あの日君の見ていた空



学校が終わり、
下校中の高介に一人でつぶやいていた。



「あーあ。なんで考えてたことを
先生に教えなきゃいけないんだ?」


空のことを考えていたなんて
とても恥ずかしくて言えない。


「じゃ、その考えていたことというものを
聞かせてくれよ?」

いつの間にか俺の後ろには
親友である西田賢人がいた。


そのまた隣には
賢人の彼女である小山真冬がいる。

「いつの間に俺の後ろにいたんだ?
てか、盗み聞きとはいい度胸してんな?」


高介は後ろにいる賢人の方を
にらみつけながら言った。


「はは。まぁそんな怒るなって。
先生にあー言われたら、
「勉強のことについて考えてました」って
書いとけば安心するぞ?」

高介は一つ溜息をつくと言った。


「さすが。悪知恵ならよく働くな(笑)」

高介はそう言いながらも
両手を首の後ろで組み、空を見上げた。

賢人と真冬は顔を合わせて首をかしげた。

「なぁ、お前らは空のことで何か考えたことあるか?」

高介は二人に聞いた。

しかし、二人は眉間にしわを寄せながら、

「いや、特に考えたことはないけど・・・。」

賢人がそういうと、真冬が言った。

「高介君は考えたことあるの?」

真冬に聞かれ、高介は答えた。



「考えたことは、、、ある。
でも、わからないんだ。」

「かわらない?何が?」と
真冬が言うと二人は黙り込んだ。