キズだらけのぼくらは



私はソラの言葉を訝しむように睨んでいた。

かっこいい? 強い?

あんな話を聞いても、なんでこんなリアクションができるの?

あり得ない。

【またいい子ぶってんの? 言いふらしたければ、どんどん言いふらしに行きなよ】

こんな短い文を打つのに、私は肩が上下するほど息を荒げさせている。

目頭が急にあつくなる。

【ううん。そんなのするつもりない。ももたんはすごいよ。私は弱いからなにもできない】

画面に、また一文追加された。

黒の上に白く書かれた文字は淡々としているはずなのだけど、何故か心に訴えかけてくる。

真摯で素直な想い。

そして私は次に書き込まれた文から、目が離せなくなった。

【私ね、もう何度も繰り返してるの。リストカットを】

そのカタカナの文字だけが、私には浮き出たように見えた。