キズだらけのぼくらは



なんでだろう、自分でも不思議……。

今まで必死に隠してきた真実を自らぶちまけて、こうして正体を曝している。

自分でも、自分が壊れてしまったのかなって思う。

なのにね、今の私は気持ちよくてしかたないの。

画面には、前髪がどいてはっきりと目が見えるようになった私が映っていて、歯を見せて笑っている。

楽しそうに微笑んでいる。

ももたんっていう皮をはいで、体も心も軽くなった気がした。

そして、今までよく知りもしないで、ももたんにチヤホヤしていたヤツに、ひと泡吹かせてやった気分がした。

心に充満した不満や怒りが解き放たれて、苦しかった胸が楽になっていくの。

あぁ、私は“ももたん“っていう皮の中に、これだけの感情をしまいこんでいたんだね。

一軍への憎しみの塊を……。

でも私は、いつの間にか新たに現れていた書き込みに目を凝らした。

【ももたん、かっこいいよ。私にはそんなことできない。ももたん、私が思っているよりずっと強い人だね】