キズだらけのぼくらは



【私が、人気のももたんだから、仲良くしたいだけでしょ? その肩書きと友達になりたいだけでしょ?】

いくら言葉に綺麗な化粧をしたからって、結局言っているのはそんなものでしかないの。

ルックスか、学力レベルか、そういうものでしか人は人を見ることができない。

現実はもちろんのこと、顔の見えないネットでもキャラ設定次第で友達の多さは変わる。

どんな世界だって、なにも変わらないよ。

世界なんて、さみしくて、ただイカれているだけのもの。

【そういう言い方、やめてくれないか。ここはそんな話をする場所じゃない。他所でしてくれ】

急にブラックが口をはさんでくる。

別にソラの味方をするわけでなく、淡々と文字が書き込まれている。

それは、ここが自分を隠してキズを舐めあう場所だから?

だから、波風を立てないでくれっていうこと?

私はそんな呼び掛けに返事をする気もなかった。

生ぬるくて笑えてくる。