でも、私はハッとして自分の目の前にあるものを見まわした。
一緒に輪になって座っている結愛と新太。
みんなで一緒にご飯を食べて、お喋りして、笑いあって……。
このふたりとだって、初めはネットで出会ったんだ。
嫌味しか言えなかった私と、友達になってくれたんだ。
私は、楽しそうにご飯を食べ進めるふたりを見つめて、スマホを胸にかき抱く。
私、本当にいい友達に出会えたんだね……。
あんなに、いっぱいいっぱい間違えても、結愛たちに出会えて私は幸せだ。
「桃香、どうかしたの?」
結愛が私の顔を覗き込んで尋ねる。
「ううん、なんでもないよ。ありがとう」
だから、すぐに笑顔で答える。
“ありがとう”
その言葉に、結愛は気づいてないであろう想いをこめて。


