キズだらけのぼくらは



一番上には、いつも来てくれていた子の名前がある。

言いかえれば、私がいつも騙し抜いてきた子の名前……。

だけど、私は目を逸らさずに読んだ。

【とてもショックでした。だけど、恋愛相談に真剣に乗ってくれたことは本当だと思っています。いっぱい背中を押してもらったから】

目頭が熱くなる。

一度来た恋愛相談のメッセージが頭によぎる。

騙していたのに……、そんなこと言ってもらえる資格なんかないのに……。

私は左腕の袖を目へと静かに押し当てて涙を吸わせる。

スマホを大切に握りしめる。

たった一回の相談だよ……?

ネットで顔も見たこともないんだよ……。

そんな関係なのに、なんで……?

胸がつまる。

優しくて温かくて、だけど幸せで苦しい。