するとそこには、アキムの世界が広がっていた……。
さっきのページと変わらず背景は黒くて、文字は白で書かれている。
他にはなんの装飾もなく、シンプルなホームページだった。
そして、こんな挨拶文が私を出迎えた。
【月がいなくなった夜へようこそ。当サイトの管理人アキムです。わざわざ入口を隠したのに、よくここまでたどり着きましたね。素晴らしいです。さぞ、私のことが気になっていたのでしょうね。では、お好きなだけ楽しんでいってください】
私は呆れを通り越して、吐き捨てるように笑った。
人をバカにしきった笑いが聞こえてくるような文章。
やっぱりアキムっていう人は、人を笑うのが楽しいんだ。
私も似たようなものだけど、私みたいな三軍以下の人間をからかってなにが面白いんだろう。
あぁ、アキムは一軍にいる人間と同じなんだ。
自分よりも劣っている者を見下して、困りはてる姿を見るのが、きっと楽しいの。


