キズだらけのぼくらは



何個も煌々と光っている街灯の下を通り過ぎて、私たちは黙々と目的地に向かう。

ふたりの足音だけがばらばらと、他に誰もいない歩道に響いていた。

横の道路には、ヘッドライトをともした乗用車が走り抜けていき、私はその眩しさに腕で目を覆った。

また、手の平には汗が吹き出し、心にはもやもやしたものが広がっていく。

私はまっ赤に光る信号機をぼけっと見つめ、足が少し重くなった。

本当に、私にできるのかな……? ふたりを救うことが……。

「桃香……。どうしたの? 自信ない?」

ふいに隣から、透き通った結愛の声がする。

そろりと結愛を見れば、冷たく澄みきった空気に、うっすらと彼女の吐息が白く見えた。

優しくほんのりと漂っている。

「……本当に、私にできるか、わからないんだもん」

本音を口にすれば、自分が一気に頼りないものに思えて、足がすくむ。

また迫りくるヘッドライトに、つい目をふせる。

「私は大丈夫だと思うよ。桃香ならね」