キズだらけのぼくらは



怪我をしたのに、私は手の平に爪のあとがつくくらい両方の拳を握りしめる。

「そっちこそ、そんな言葉で終わりにしないでよ……。いらなくなれば突き放されて……、私がアンタを好きな気持ちはどうなんの……」

声が頼りなく震えてしまう。

素直になって想いを伝えても、こんな風に突き放すなんてひどい。

私はまだ表情を変えない彼を見上げながら、私は更に言った。

「本当に復讐のために利用しただけ? なら、なんでときどき優しくしたの? 本当は妹の代わりに私をかまっていれば気が紛れたからじゃないの?」

目尻に涙がたまっていくのがわかる。

彼の顔がにじむ。

こんなことを言っている自分の心が一番痛い。

余計に痛いよ。

だけど、そんなものから目を背けてもなんにも前に進めないって知ったから。

だから、アンタもちゃんと前にいる私を見てよ。

彼は下唇を噛み締めて、目を逸らしている。

きっとそれが答えだね……、最後の質問にも、たぶんイエス……。