だけど、私は勇気を出して、キズだらけのパソコンに触れた。
指先に冷たさが、ゴツゴツとした感触が伝わってくる。
見ているだけでも、痛々しいよ……。
こんなのを部屋に置いて、彼は自分で自分を苦しめているみたいだ……。
胸が痛くなる。
コイツは今もこんなに苦しまなきゃいけない?
海夏ちゃんも、なにか一歩踏み出す方法はないかな……?
私は、どうにかしたいよ。
「海夏ちゃんを救いたいな。私たちが変われたみたいに、なにか、なにか……助ける方法はないかな……」
言葉を選びながら、手探りで方法をさがすように、一言一言言葉を紡ぐ。
私は真剣に彼の光のない瞳を見つめた。
海夏ちゃんのことを助けたいのはもちろんだけど、私は……。
アンタを一番助けたいんだよ。
「軽々しく言うな」


