「羽咲?」
人の良さそうな目をした本郷大翔がきょとんとして、私に手を差し出している。
私はぼけっとしたまま、しばらく見つめていた。
いつもの自転車も、うちの制服を着ているコイツも私の目に間違いはない。
なんで……?
「なんでお前がここにいんだよ? わけわかんねぇ」
彼は急に冷たくなって目を逸らし、手まで引っ込めた。
怒ったように眉間にしわまで寄せている。
私がなんでそんな顔されなきゃいけないの?
「いや、聞きたいのはこっちの方だから! なんでっ、アンタがここにいるわけっ!?」
だから私も負けじと、彼をビシィッと指差して強きに出た。
だけど、彼は面倒くさそうに、のそりと前を指差したのだ。
「うち。俺んち、そこ。なんか悪いか?」
私は眉をひそめて、首だけうしろを向いた。
そこには、周りの家とは明らかに違う雰囲気を放つ家があった。


