キズだらけのぼくらは



私には、友達ができたんだ。

もう、こんなことをする必要もなくなってきたのかな?

鏡の自分に聞いてみる。

この前とほとんど変わらず、鏡の中の私は笑顔が下手で、前髪が厚ぼったい。

まだ、恥ずかしい。

だけど、フードくらいかぶらなくしていいだろうか……。

私はてれ隠しをするように髪を撫でつけると、財布とスマホをポケットに入れて、出発した。

顔を隠すフードをかぶらずに……。

外に出れば、空はよく晴れていた。

歩道には犬を散歩させているのに引っ張られているおばさんや、車道側を自転車でふらふらと走っていくおじいさんの姿がある。

のどかだなぁ。

コンビニはうちから少し遠いけれど、私も散歩がてら頑張って行こう。

私は、おばさんが連れているダックスフンドのちょこまかとした足運びに頬笑みながら、のんびりと歩いた。