ぐぅ~……。

そんなときふと、情けない音がした。

私はひとり苦笑いをして自分のお腹を見下ろす。

どんなときにも、お腹は正直というかなんというか……。

ベッドから窓の方を見れば、まだ閉められたままのカーテンの間から明るい光が漏れて見え、壁にかけられた丸い時計の針はもう午後の2時30分をさしていた。

朝寝坊新記録をあっさりと更新。

これだけ寝れば、お腹も減るものだ。

「よいしょ」

小さくかけ声をかけて立ち上がり、私は台所へと向かった。

居間を通って台所に行くけれど誰もいない。

お母さんはパート、お父さんは会社だ。

誰もいないからご飯をなんとかしなきゃと、冷蔵庫に首を突っこむ。

でも、チルド室に晩ご飯用であろう豚肉があるだけ。

冷凍庫には冷凍ピザもピラフもなにもない。

腹の虫はどんどん大きくなる。