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「ふぁ~、ねむ……」

大きく口を開けてあくびする。

今やっと、ベッドの上で体を起こしたところ。

病院ではベッドがかたいし、いろいろなことを考えて眠れなかったけど、やっぱり家は最高。

着なれたスウェットに、かたくないベッド。これに限る。

入院は一晩ですみ、私は昨日退院した。

もう、学校に行けるのだけど、今日は休んだ。

私は眠い目をぐりぐりと擦る。

もちろん、朝の6時頃にはお母さんに、学校は!? ってしつこく聞かれたけど、休むからと強く言い通してなんとか免れた。

だって今日は金曜日だから、休めば3連休になって特だもの。

学校に行くなんて面倒くさい。

それに……、もしもアイツに会ったら、私はなんて言えばいいのかわからないから……。

目を擦っていた手で徐に前髪をぐしゃりと掴むと、下唇を噛み締めた。

私は、アイツを救う術も、元気づける方法も持ってはいないから、ひとつも……。