キズだらけのぼくらは



頬に涙が伝っていく。

涙を見せるなんて絶対にしなかったけど、今は止められない。

さっきまで見ていた夢も、もう過去の話。

ミホちゃんに見放された瞬間、怖くて怖くてたまらなかったけれど、もうひとりじゃないんだ。

こんな時に駆けつけてくれるふたりがいる。

自分のことをおざなりにしても、私の心配をしてくれる人がいる。

まだ信じられないけど、私にそんな存在ができたことに驚き。

こんなにも温かくて、優しいものなんだね。

「友達っていのは、本来そういうものだろ。俺たちは今まで、そういう存在に出会えなかっただけだ」

新太が物静かに微笑む。

「そうだよ。なにかあれば駆けつける。嬉しいことがあれば、みんなで笑い合う。私はそうしたい。本当の、友達になったんだもん」

結愛が、とびきりの笑顔を見せて、私の手をギュッと握る。

こういうことなんだ、“友達”って。

温かくて、ちょっぴりくすぐったくて、でも安心できる。

「ありがとう」