安心しきってゆるんだふたりの顔と、キラキラと差し込む外の光。
白いだけのこんな病室に温かい光が溢れている。
「とにかく、桃香が無事でよかった。本当に、本当に、安心したよ」
私は、涙の粒をひとつ、布団の上に落とした。
そうしたら次々と、涙が布団に落ちて止まらない。
瞬く間に、水玉模様ができる。
私は鼻をすすって、それでも涙をだらしなく落とし続けた。
「もっ、桃香! どうしたの、どこか痛いの!? 寝てたとき苦しそうだったけど、どこか調子悪い!? 先生呼ぶ!?」
結愛は声を裏返して騒ぎ、覚束ない手で私の背中をさすってくれる。
「そういうのじゃないよ。どこも痛くない。胸が、温かいの」
私は結愛の腕のそっと触れて、泣いたまま、うまくできていない笑顔を見せる。
結愛はまだ心配そうに眉根を寄せている。
でも、私はそうやってふたりを見ながら、心のままに言った。
「嬉しいの……。私の心配なんかをしてくれる、友達がいることが、嬉しくてしょうがないの」


