結愛に抱きつかれたまま、なんとなく体に痛みが残っていることを実感した。。
でも、ふと気になることが浮かんできた。
「ねえ、ふたりとも……」
私がブツブツといい始めると、結愛は小首を傾げて私からそっと離れた。
「ふたりとも、いつからここに……?」
窓に目をやれば太陽は完全に頂上を過ぎていて、昼を過ぎているのはすぐにわかった。
「うーん、2時間?」
「いや、3時間じゃないか?」
ふたりとも首を傾げあって、苦笑いしながら話している。
だけど、とうとうふたりがクスリと笑いだしたのだ。
「わかんないや。だって、時計なんか見ずに、急いでここへ来たから。桃香の目が覚めるのをただただ待ってたんだもん」
結愛がにっこりと私に微笑みかける。
新太も頷いている。
よく見れば、結愛のピン止めは外れかけ、左手首のリストバンドはいつもの位置よりずり上がっていた。
そんなにも……、私を心配してくれたの……?


