キズだらけのぼくらは



そして、私は驚きで目を丸くした。

「結愛……、新太……」

制服姿のふたりが、ベッドサイドに立っていたんだ。

「なんでふたりが……?」

私はキョトンとしてふたりを見上げる。

すると、結愛がわっと声をあげて私に抱きついてきた。

思わずうしろに倒れ込みそうになる。

「よかったぁ、よかったぁ! 桃香が階段から落ちて病院に送られたっていうから、心配ですっとんできたんだから! よかった……」

取り乱して、私にしがみつく結愛。

私は驚きながらも思い出す。

そうだ、通学途中に階段から落ちて、そのあと意識を失ったんだっけ……。

新太は取り乱す結愛の代わりに落ち付いて口を開いた。

「俺たちが病院に来たとき、羽咲のお母さんが仕事に行くとこだったよ。幸いにも掠りキズくらいしかないって」

やわらかい表情で新太が言う。