キズだらけのぼくらは



「ごめん、ミホちゃん……。でも、でも、そんなこと言わないで……。お願ぃ……」

私は祈るような想いでその場にうずくまり、ミホちゃんに頼みこむ。

必死に、一生懸命に。

「やめてよ。ていうか、桃香のこと嫌いだから。もう、目の前に現れないで」

ミホちゃんの声がこだまする。

“嫌い”

“現れないで”

心が痛い。ズキズキズキズキ痛い。

「イヤ……、イヤ……。……イヤァァァァァァ!!」


……私は大声をあげて飛び起きた。

はぁはぁと大きく息をつき、胸に手を当てる。

夢、だったのか……。まるで悪夢。

落ち着かせるように何度も瞬きをして、手を当てた胸に視線を落とした。

制服じゃなくて、白い寝間着を身につけている。

そして、お腹のあたりまでまっ白な布団が掛けられていた。

私はハッと目を見開いて周辺に視線を走らせる。

まっ白な壁、小さな窓、かたいベッド。