「ミホちゃん!? ねぇ、ミホちゃんなの!?」
私はミホちゃんの姿をさがして必死に周りをぐるりと見る。
だけど、そこは怖いくらい真っ暗な闇で、私は震えあがる。
イヤだイヤだ、ひとりにしないで!
私は頭を抱えて泣き叫ぶ。
もう、ひとりにされるのも、置き去りにされるのもイヤなの……。
だから、こんな場所にひとりにしないで。
でも、目の前の闇にミホちゃんの顔が大きく映し出される。
「ミホちゃん……」
「いつもいつも、くっついてきてうっとうしいの。足怪我したからって、先生に目をかけてもらっちゃって。だから、私たちだって優しくしてきたの」
ミホちゃんは顔を歪めて、私を見下げたように言う。
その瞳は光がなく冷たくて、私の胸は恐怖にざわついていく。
「だからさ、勘違いしないでよね。私、友達にすらなってないから。もう、くっついてくるのやめてよね」
痛いくらいに冷え切った声が、胸にナイフのように突き刺さる。
涙が一気にあふれてくる。


