でも、容赦なく風が吹き、怪物の鳴き声のような音をたてる。
私はそれに震えあがり身を縮める。
怖い。
だって、どこか違う空間に閉じ込められたみたい。
赤や茶色の落ち葉はガサガサとイヤな音をたて、数メートル先は
目いっぱいに見上げなくちゃならないほどの大木ばかり。
そんな木に閉ざされて空が見えない。
目に見えるのは燃えるような葉の赤と、茂みの奥の暗闇だけ。
みんなと切り離されてしまったみたいに思える。
だから声も届かないんだ。
誰も、ひとりぼっちの私なんかには気づいてくれないんだ……。
それでも、私はなんどもバカみたいに呼んでいた。
泣いても泣いても涙は止まらず、袖はもっと濡れていく。
どれくらいの時間が過ぎたのか、あたりは暗くなり始めていた。
もっと心細くなる。
「誰か……助けてよ、誰か気づいてよ……。ミホちゃん……」


