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しなびた色をした背の高い雑草が道路と側溝の間からはえて、風に揺れている。

私はそんな雑草に一瞬視線を向けたけれど、縁石もない道路脇を歩きだした。

そして、少し先の信号を見やる。

もう歩行者の信号は点滅していて私は間に合いそうもない。

「遅刻しちゃうよー!」

「急がなくちゃ!」

だけど、赤いランドセルをしょった女の子たちが、きゃあきゃあと賑やかな声をあげながら、横断歩道のシマシマの上を走っていく。

バタバタと自由に駆けだす足音が幾重にも重なり、私も小さい頃かぶせられたあの黄色い帽子がちょこまかと動いている。

遅刻しそうだっていうのに、走っていく彼女たちは楽しそうに笑っていて、スキップでもしているみたいにその足取りは軽かった。

いいな……、私もあんな小学生時代があったらどんなに良かっただろう。

足のことは関係なく、あんな風に笑いあえるの仲間がいたなら、私はそれだけで幸せだったんだ。

きっと、あの時の私より、あの子たちの方が友達をつくるのはうまいね。