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能天気なピンク色のカーテンを端へ乱雑に追いやった。

窓のカギを解除して、窓も網戸も開け放つ。

すると風は一気に部屋の中へと入りこんだ。

少し砂っぽい窓枠に両手をついた私は、その風を真正面から受けて、胸いっぱいにとりいれる。

その空気は、湿った土とまだ青い草の香りがした。

なのに窓枠についた私の手からは、まだ乾ききらないマニキュアのツンとくる臭いが漂ってきて、顔をしかめた。

私は、夜の外のこの匂いの方が好き。この時間が好き。

分厚い前髪は視界の邪魔をしたけれど、それでも私は外を見た。

1階だから見える、芝生の生えた近い地面。

上を見れば、ただ黒いだけではない深みのある藍色のような色をした夜空。

夜は、夜だけは、私を受け入れてくれている気がした。

学校にいる時みたいに浮くことはなく、とけこめる気がしたの。