「ああ、俺もあのふたりと同じ中学だったろ。前にアイツがネットであのことを打ち明けた時の書き込みを読んだら、きっと関谷だろうと思えてな」
彼は片手で鼻を擦ってくすりと笑い、立ち止まる。
「実際、学校で思いきってきいてみたら本当にそうで、俺だってびっくりした。そんな時も関谷は淡々としてるんだぞ。大したヤツだよ」
更に笑いだす彼は顔をくしゃりとする。そして「ずっと秘密を守り通して、アイツは名俳優だよ」とも付け加える。
コイツが笑うなんて珍しい。
だけど私も想像すれば、ぷっと吹き出して、笑いが止まらなくなった。
「確かに目に浮かぶわっ、ははっ」
コイツも曲者だけど、新太もあなどれない。
冷静沈着でメガネをキラリと光らせる新太の顔が簡単に想像できる。
私はお腹を抱えて思いきり笑った。
「まったくやんなるわ。ふたりがかりで騙されて気づかなかったなんて」
「お前が鈍いんだろ? 喧嘩っ早くて、俺の挑発にもすぐ乗ってくる単細胞だし」


