キズだらけのぼくらは



でも、胸が苦しくなってパッと顔をあげれば、ますます影は小さくなっていた。

もう、校門の角を曲がる。

小さくなったアイツの横顔が見えなくなる……。

「……待って……」

気づけばそう呟いて、体は勝手に動いていた。

相変わらずリズムの悪い音を響かせて、かっこ悪くても前に進む。

ただあの背中だけを見つめて、風を切る。

足を前へと動かす。

あっという間に校門をくぐりぬけ、歩道に出ればやっとはっきり見えた彼の背中。

横を走り抜ける車の音を聞きながら、息を切らしてあと少し足を踏み出す。

そしてやっと、彼の背中に手が触れた。

「ん? なんだよ……? ああ、お前か。息切らしてどうかしたのかー?」

振り返った彼は、今日も愛想なく私を振りむき見る。

でも、オレンジに染まった彼の顔は心なしか温かく、和らいで見えた。