キズだらけのぼくらは



夕日で燃える視界の先に、長身の男子と自転車のシルエットが浮かび上がる。

私は外へ出たばかりのところで、思わず歩みを止めた。

着崩れているブレザーの皺も、悔しいけれど絵になってしまうそのスタイルのいい体も、絶対にアイツ。

私の足が自然に止まってしまうのは、本郷大翔しかいないから……。

自転車を押しながら、校門の方へと向かっていくうしろ姿。

その背中は次第に小さくなっていく。

沈む夕日の光が強すぎて、目がくらむ。

だけど、私にはアイツの背中だけが見えていた。

見ているだけで胸がぎゅっと締め付けられるみたいに狭くなるアイツの姿。

結愛は新太に向かって歩き出したけれど、私はアイツに向かって歩き出すことができるのかな?

私は、動けなくなってしまった歯がゆい爪先を見つめる。

拒まれるかもしれない、辛い過去を思い出させてしまうかもしれない……。

頭の中にそんなものがゴチャゴチャと溢れていく。