私の世界は、不器用だけれども少しずつ、うまく回り始めている気がした。
今日も一日は終えていって、もう放課後。
昇降口は温かなオレンジ色に包まれている。
私もそんな一部になりながら、自分の下駄箱をそっと開ける。
開けてもゴミが溢れてくることも、画鋲が入っていることもなかった。
私の靴が朝入れたまま、並んでいるだけ。
肩からさげているカバンにも徐に手で触れる。
新たに破られても、落書きされてもいないノートと教科書が入ったカバン。
別にみんなの私を見る目が変わったわけじゃないけど、こうして日常に戻っていくんだ。
昇降口から大きな顔を見せる夕日は、もうすぐ地平線の向こうに沈もうとして、ゆらゆらと地力強く揺れていた。
私はこんなとき、いつも思う。
たとえどんなに残酷で、どんなにイヤなことがあったとしても、たゆむことなく時間は流れていくっていうこと。


