「ああやっていつも男子騙してるんじゃない?」

「本当、イヤな女」

足音を響かせて、秋穂たちに近づく。

聞いていれば次々と、悪口ばかりが飛び出していく。

そんなの言わせていられるもんか。

私は前に進むって決めたの。

委員長みたいにはならないって、さみしい人間にはなりたくないって……、あの時心から思ったんだから。

今度こそ、結愛の……、私を友達と言ってくれた彼女のために、私ができることをしたい。

私は無言で秋穂たちの前に立ち、鋭く彼女たちを見据えた。

「なんなの? アンタもまた暴露大会、それとも友情ごっこ? 勘弁してよね」

秋穂が私を見上げ、バカにしたように目を細める。

その汚い目を見た私は、爪が食い込むほど拳を握りしめた。

「友情、ごっこ、なんかじゃない……。アンタが結愛としてた友情ごっことは違う!」