「僕が、弱いって……? そんなことあるはずがない。僕はコイツらとはレベルが違う。もちろん関谷ともだ。同じにされてたまるか……!」
声をやっと絞り出すように、震えながら声をあげる委員長。
頭を抱えて叫ぶ姿は、もう弱々しくて、言葉はただの捨て台詞のようにしか聞こえない。
「緒方、まだそんなことを言うのか。だったら俺が……」
すると、息を荒げたままの新太は拳をあげ、委員長の元に歩み出ていった。
私は思わず息を止めて、目を見張る。
もしかして、委員長を……?
だけど、その瞬間に大きな足音がした。
「ダメだよ……、ダメだよ、新太……」
「……板野?」
気づくと、いつの間にか新太の前には結愛がいて、全身を使って新太を受け止めていた。
新太よりもずっと小さな体をした結愛が、細い腕を伸ばし、胸に顔をうずめて泣きそうな声で訴えている。
「もう決着はついたよ……。新太は強くてかっこよかったよ」


