外の光を一身に受ける新太。
そんな新太は、誰よりも強い目をしている。
今、誰よりも煌めいている……。
「人間には、上も下も、強いも弱いもない。世界は誰かひとりの思い通りになるものでもない」
新太が大きく手ぶりして伝える。
全身で、全力で、新太の強い想いが広がっていく。
「足掻いて転んで、蹴落とされて、それでも頑張って生きてんだよ! 俺は肩を壊されても、足掻いてきた。それを踏みつぶすな。二度と笑うな。お前の方がよっぽど惨めで、弱い人間だ!」
誰もが口をつぐんだ教室内に、新太の荒い息遣いだけがハッキリと感じられる。
窓の外ではいつものように雲が流れ、蛍光灯は微かに息をしながらさえない明かりを落としているのに、新太のところだけ世界が変わって見えた。
曖昧なうすぼけた色が消えて、くっきりと光り輝きだしたの……。
空も、問題だらけのこんなクラスもみんな……。
でも、委員長はまだやめようとはしなかった。


